自社の株式を上場しようとしても、なかなか簡単に実現できるものではありません。
それは、証券取引所の「上場審査」と言われる高いハードルをクリアしなければならないからです。
この上場審査に合格するための準備作業が上場準備であり、上場準備には、ある程度の期間と多額の費用がかかることが一般的です。
上場審査には、「形式基準(形式要件)」と「実質基準(実質審査基準)」という2つの基準があり、どちらもクリアしなければなりません。上場審査を入学や資格の試験に例えると、形式基準は受験資格にあたり、実質基準は試験問題にあたります。
形式基準は、その名のとおり、企業が上場するための形式的な要件であり、数値基準が中心となっています。具体的には、
- 株主数
- 流通株主数
- 時価総額
- 事業継続年数
- 純資産額
- 利益額
- 監査法人の監査意見
などです。
そして、形式基準は市場ごとに異なっており、マザーズより東証二部の方が、東証二部より東証一部の方がハードルは高くなります。例えば、時価総額の場合、マザーズは10億円以上、東証二部は20億円以上、東証一部になると250億円以上となります。
一方、実質基準は、上場企業にふさわしい企業であるかどうかを質的な側面から審査するための基準であり、形式基準と同じく、市場の性格に合わせて市場ごとに異なる内容となっています。
ただし、形式基準のように具体的な数値基準はなく、例えば東証の本則市場の場合は、
- 企業の継続性および収益性:継続的に事業を営み、かつ、安定的な収益基盤を有していること
- 企業経営の健全性:事業を公正かつ忠実に遂行していること
- 企業のコーポレート・ガバナンスおよび内部管理体制の有効性:コーポレート・ガバナンスおよび内部管理体制が適切に整備され、機能していること
- 企業内容等の開示の適正性:企業内容等の開示を適正に行うことができる状況にあること
- その他公益または投資者保護の観点から取引所が必要と認める事項
という5つの要件が定められています。
これがマザーズ市場の場合は、
- 企業内容、リスク情報等の開示の適切性:企業内容、リスク情報等の開示を適切に行うことができる状況にあること
- 企業経営の健全性:事業を公正かつ忠実に遂行していること
- 企業のコーポレート・ガバナンスおよび内部管理体制の有効性:コーポレート・ガバナンスおよび内部管理体制が、企業の規模や成熟度等に応じて整備され、適切に機能していること
- 事業計画の合理性:当該事業計画を遂行するために必要な事業基盤を整備していること又は整備する合理的な見込みのあること
- その他公益または投資者保護の観点から取引所が必要と認める事項:
となります。
このように上場審査基準は複雑で多岐にわたります。
経営者のみなさまがいざ上場を考えても、何から手をつければよいのかわからないというのが普通です。
そのときには、監査法人の短期調査(ショートレビュー)を受けることが一般的です。
短期調査では、企業の現状を把握し、上場審査基準とのギャップを明らかにしたうえで、上場までの課題をスケジュールとともにご提供します。
そうせい監査法人でも、もちろん上場準備のための短期調査を行っております。 数々の短期調査、クライアントの株式上場を経験した公認会計士による短期調査ですので、安心してお任せください。
株式上場をお考えの企業の経営者・管理者の方は、info@sousei-audit.or.jpまでお気軽にお問い合わせください。