皆様こんにちは。リース会計かんたん!解説第4回はIFRSリース基準における簡便的な会計処理について説明していきます。
現行の日本基準においてもリースについてオフバランスが可能な簡便法(300万円基準など)がいくつか認められています。IFRSリース基準についても範囲は狭いですが簡便的な処理(IFRS16上では「認識の免除」と呼んでいます)に関する規定が2つありますので今回はそれを紹介します。
1.短期リース
契約期間が12か月以内であるリースは短期リースとしてリース料を期間費用として処理することができます。なお、購入オプションが付いたリースは短期リースには該当しません。更に、契約期間の延長オプションがありその行使が確実な場合はその期間も加味して12か月以内か判断します。
2.少額リース
リース対象となった資産(原資産と呼びます)の価格が少額であるリースは短期リースと同様にリース料を期間費用として処理することができます。
ここで、「少額」の基準が問題となりますがIFRS基準上は金額を明示していません。但し、結論の背景(BC)100項において、この規定の適用対象としてタブレット・PC・小型のオフィス家具や電話を想定しており、新品時に5千米ドル以下を念頭に置いている旨の記載があるのでこれが実務上の参考になると思われます。
なお、この少額リースは個別の資産ごとに選択適用が可能です。
3.まとめ
以上よりIFRSリース基準においては簡便的な処理は日本基準の300万円に比べて範囲が限定的になることが予想されます。1百万円を超えるような比較的高性能な複合機などはIFRS適用時には原則的な処理が求められる可能性が高いといえます。